こんにちは!
文京区白山・千石・春日のパーソナルトレーニングジム
VaLerio Luana担当トレーナーの野原です。
近年「脚の運動で美脚を手に入れよう」「この腹筋トレーニングでくびれを手に入れよう」など部分瘦せというか「これをすれば痩せるみたいな」情報がよく紹介されています。
先に結論から申し上げますと、部分痩せ=狙った所だけの脂肪を落とすことは出来ません。
なので、「腹筋をしたからお腹の脂肪だけが落ちる」とか「内もものトレーニングをしたから内ももの脂肪だけが落ちる」このような事はありません。
しかし、見た目を引き締めることは可能です。一見矛盾しているようにも思えますけどね。
さて、ここからは前述の内容を掘り下げていきます。
・現在ダイエットをしている方
・お腹など部分的に引き締めたい箇所があり、部分的なトレーニングをしている方
当てはまる方にオススメの内容です。
ぜひ最後までご覧ください。
★残念ながら部分瘦せは不可能
今回の内容は幾つかの論文をベースにまとめていきます。
まずは、こちらの論文から。
〇内容
男女11名に12週間非利き足ハムストリングス(裏もも)のトレーニングを実施。
トレーニングは週3回、強度は1RM30%で疲労困憊になるまで実施。
検証前後で【体重・体脂肪量・体脂肪率・除脂肪体重・骨密度・骨量】を計測しました。
(DXAで全身を測定しています)
検証中はの摂取カロリーを変更しないようにしていたそうです。
(カロリーによる変化を防ぐために)
〇結果
全身の脂肪量は減少したもののトレーニングした足の脂肪は変わらなかったそうです。
また、不思議なことに腕や腹部と足とは関係のない部位の脂肪量が大きく減少したようです。
この理由には、アドレナリンが関係していると推測されています。
アドレナリンは、副腎という腎臓の上についている臓器から分泌されるホルモンです。
興奮、緊張状態などの交感神経が優位の場面で分泌される物質で運動でも分泌されます。
(スポーツ選手がアドレナリンがどうのこうのと言ってる場面があったりしますが、そう言った場面で分泌されているからです)
運動によってアドレナリンの分泌量が増えると、脂肪を分解するリパーゼが活性化します。リパーゼによりが脂肪から脂肪酸へ分解が促進された推測されています。
要は、脂肪がよく使われるようになったと考えてもらえればと思います。
分泌されたアドレナリンはトレーニングした部位(足)だけでなく血液によって全身に運ばれるので、腕や腹部の脂肪量が減少したと考えられます。
また、上半身の脂肪量が大きく減少した理由は、
「上半身の脂肪は下半身の脂肪と比べて酸化(分解)しやすい」
また他の記事(https: //doi.org/10.3945/ajcn.111.033829)では
「上半身の脂肪細胞は下半身の脂肪細胞より過剰になったエネルギーを体脂肪として溜め込みやすい」
「上半身の脂肪細胞は下半身の脂肪細胞と比較して脂肪分解の刺激に反応しやすい」点が上げられています。
前述から考えると上半身なら部分瘦せできるんじゃないの?と思うかもしれませんが、実際そうでもないようです。
こちらも論文を元にまとめていきます。
★腕のトレーニング
〇内容
・18歳~40歳の男女104名に腕のトレーニングが行われました。
・12週間のプログラムを週2回、5つのメニューを1RM65%~70%の強度で12回×3セット行いました。
検証前後はMRIとキャリパーで【両腕の皮下脂肪量、筋肉量】が測定されています。
〇結果
性別・測定方法によって差があったものの、総合的に見ると腕の皮下脂肪量は変化しなかったそうです。
変化があった測定方法がキャリパーという皮膚を摘まむ器具でしたので測定者の技量で差が出ます。一方で変化しなかった方法がMRIでしたので信憑性が高いかと思われます。
★腹部の研究
〇内容
18歳~40歳の男女24人をランダムに腹筋をしないグループと腹筋トレーニングをするグループに分けています。
腹筋トレーニングをするグループは、7種類の腹筋トレーニングを10回×2セット6週間行いました。
両方のグループとも検証前後の3日間は同じカロリーを摂取。
(3日間の推定から検証中の摂取カロリーを割り出しています)
検証前後で両グループとも【体重・BMI・体脂肪率・腹部脂肪率・腹部皮下脂肪・ウエストサイズ】を計測しました。(体脂肪率・腹部脂肪率はDXAで測定)
〇結果
上記の項目に変化はなかったそうです。一応腹筋の持久力はアップしたそうです。
〇ここまでのまとめ
部分的に脂肪を落とすのは難しいと言えます。
しかし、トレーニングをすることで消費カロリーを増やすことに繋がるので全身の脂肪を落とすという意味では無駄ではないといえます。(全身の脂肪量が減少したという結果も出ておりますので)
また、論文の結果から筋肉量は部分的なトレーニングでもアップします。これは見た目の引き締めに繋がります。
ここからは、この見た目についてまとめていきます。
★脂肪は落ちないのに見た目が引き締められるとは?
脂肪と筋肉の密度が関係します。
脂肪の密度=0.9cm3
筋肉の密度=1.1cm3
水の密度=1cm3
脂肪は水に浮きますが、筋肉は沈みます。
密度が違うということは、サイズにも影響します。
脂肪の体積は水の1.1倍
筋肉の体積は水の0.9倍
1.1(脂肪)と0.9(筋肉)となるので、同じ重さで体積を比較すると脂肪の方が20%多く見えると言えます。
言い換えますと同じ体重の人でも筋肉量が多ければ体積の関係から引き締まって見えるということです。
要は部分的なトレーニングで「部分痩せ=脂肪を落とす」は不可能でも「部分痩せ=見た目引き締め」は可能ということになります。
これを正式に部分痩せと呼ぶかどうかは分かりませんが。
★まとめ
前述したように、部分痩せ=脂肪を落とす不可能ですが、見た目の引き締めは可能です。
改めてお伝えすると、純粋に脂肪を落とすなら食事調整が無難です。
トレーニングを取り入れる際は、脂肪を落とす目的ではなく、見た目を引き締める目的で行うようにしましょう。
また、「これを巻いたら痩せる」といった広告等に騙されないようにしましょう!
ほんとに、時間とお金無駄になりますからね。
今回の内容はここまでとなります。
ご覧いただきありがとうございました。
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